10 月
15
2011

アイアンマンハワイレース参戦記

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アイアンマンハワイのレース参戦記。

今年はアイアンマンの歴史の中で恐らく一番出場が難しいだろうと言われているランキングシステムが導入され、しかも例年の枠より大幅に減らされたプロ男子50名の枠であった。

まず、昨年の9月からの大会からポイント積算が始まり、今年の7月末で一旦締切り、上位男子は40名を決定。

その後1ヵ月で残りの10枠を争う。

私は2000ポイントくらいのうちの、5ポイント差でこの40名を逃し、ここで41番目。

最後の望みと、8月末のアイアンマンカナダにエントリーするものの、ここで結果を出せずにポイントが獲得出来ず、50名の枠外となってしまう。

しかし、上の選手が出場を辞退し、幸いにもギリギリでハワイ世界大会に出場できる事が決定した。

ちなみに、私の実質順位となるハワイのレースナンバーは51番。

昨年の上位選手は出場権が与えられる優先権があるので、それが1人行使され、男子は51名の出場。

ということは、私は最後の選手という事だ。

どう考えても、私より上の選手は強い選手ばかりで、普段のレースで上位に食い込んだり、優勝したりする選手ばかりだ。

現地に着いてからも、トップ選手がレースを観戦しにきていて、「何で出なかったの?」と聞くと、今年は出場が難しいからあきらめたという声が多かった。

そのくらい今年は異様にレベルの高い年で、出場できた事だけでも世界中のプロ選手の中でも賞賛に値すると言われている。





スイムは、スタート位置を遠目で見ながら、有力選手がいる所を選択。

マット・リードというショートでスイムが強かった選手が右側に行っていたので、一緒に右側からスタートすることにした。

それがスタートで出遅れ、200m先で中央と合流したのは集団の真ん中くらい。

でも、その集団にいれば毎年30人くらいの大集団を形成していたので、無理をせずそこに居留まる。

1000m通過ぐらいで前方を確認すると、何と5人前で大集団からちぎれてしまっている。

そこから追う事はかなり体力を消耗するので、ここはバイク、ランで温存と決め、ゆっくりペースを我慢して体力消耗を抑える。

スイムアップしたのは男子集団がほぼ半分以上バイクに行ってしまった後だった。


そこから、バイクでの追い上げが始まる・・・

としたいところだが、バイクの差が世界と全然違うので、出来るだけ自分のペースを守り、1人旅でも時間を短縮したいところだ。

今年は前半風が弱く、95km地点のハーヴィを折り返した後からようやく風が吹き始める。

大抵、帰りは横殴りの風が吹き、プロ男子でも転倒する風が吹く。

今年はそこまできつくはなかった。

愛車のcervelo P4にまたがり、3TのBreeza のDHバー、Louis Garneau(ルイガノ)のヘルメット、シューズを使用している。

サングラスはアディダス。コナの強い日光も遮ってくれるように、濃いめのレンズをチョイスした。 


溶岩しかない道をひたすら走る。

これはハワイでしか味わえないコースだ。

集中しようと思えば集中出来るが、集中出来ないときはひたすら長く感じる。

今回は比較的集中することができた。

補給もうまく行き、胃もたれする事無く、かつ低血糖と呼ばれる栄養不足のハンガーノックにもならなく済んだ。

このあたりは、補給の仕方と、身体が順応してきているようだ。

一番怖いのは、バイクで飛ばしすぎてランで失速してしまうこと。

バイクで10分無理に縮めても、ランで10分失うのは簡単だ。

飛ばしつつ、抑えるという矛盾の中走る。


ランに入るとようやく私の出番。

後ろから追い上げて行く。

写真はポラールの心拍計、RSX5をランスタートに合わせて再度記録させるところ。

この心拍計はスイムから計測され、ずっと心拍やら、バイク、ランのスピード、脚の回転数
まで計測してくれる。

これでオーバーペースもわかるので、非常に参考になる。

逆に追い込めてないときは心拍が下がるのが分かるので、いい意味でサボることができない。


最初の5kmはフォームを安定させるためにゆっくり目のペースで行く。

そこから私の提唱する高効率動作ができてくれば、どんどんペースアップをする。

今回は、力みがでて、あまりペースに乗れない。

いろいろ走りながら調整をしてペースアップを試みる。

ランニングシューズはAVIAのBOLT II 。

トライアスロン用に、少し柔らかめのソールを使用している。


コナの街を抜けた所。

ここまでは観客が減り、今まで声援でオーバーペースで走ってた海外選手を捉えて行く。

この歓声の場所は冷静に行かないと、ハワイ大会ではえらい目にあう。


ウエアーは、暑いときでも大丈夫な2XU(ツータイムズユー)。アームカバーをすると直射日光を遮ってくれて涼しくいられる。

水をかけるとより効果的だ。

今回は、前述した通り、力みがなかなか取れずに苦戦するが、30km過ぎで過去のレースでやった事の無いフォームに切り替えてみた所、がらりと変わる。

股関節が動くようになり、大抵30km過ぎに脚の痙攣に悩む所が、ほとんど無くなり、ペースアップに成功した。

ポイントは腸腰筋である。

これを重要と言うのは最近誰でも言っているが、本を見てもどう使って、どう効果的に身体を動かすかはほとんど理解出来ていないと思う。

そこが劇的に分かり、これからの動き作りに大きなヒントとなった。

タイム的にはあまり良くないタイムであったが、順位は過去最高の34位でフィニッシュ。


長年の目標のトップ20には届かなかったが、このレベルの中で過去最高を果たせたのは自信になった。

というのも今年に入ってから、いろいろな事が身の回りで変化があり、練習が例年の半分も出来なかったのだが、その中でここまでパフォーマンスを上げられたのは効率の良い練習と動きを研究してきた成果だと思う。

それから家族をはじめ、周りの人たちのサポートにも助けられた。

今年を振り返ると、3月の福島県南相馬市の実家が原子力発電所の爆発の影響で家族や親戚の生活がめちゃくちゃになった。

家族の避難が迫られ、今でも私の家の近くで避難生活を強いられている。

父は1人南相馬市の自宅に戻り、仕事を再開しているが、放射能の恐怖はぬぐい去れないだろう。

海沿いに住んでいた親戚1人は遺体で見つかったが、1人はまだ見つかっていない。

その後、5月にはオートバイにはねられる交通事故にあう。

精神的にも肉体的にもきつい1年となった。


別の面では、NSIトライアスロンスクールを4月から始め、Cobb Cyclingのサドルを輸入販売する事業も同時に始めた。

夜12時に寝て、朝4時に起きてスクールに向かうという睡眠4時間の生活でも、ここまで身体を動かせる事が分かった事も大きな収穫だ。

人間限界と思えばそれまでだと思うが、隙間がたくさんあって、そこをうまく埋め合わせて行けば時間、体力を有効に使うことができる。

もっと上を行きたい所だが、将来の事も考えて、同時進行で身の回りの生計を考えながらやっていこうと思う。




皆さん、ご声援ありがとうございます。

Written by hironishiuchi in: レース |

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